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バスラ緊急支援報告
1) 概要
3月25日に起きた、イラク政府軍とムクタダ・サドル師のマハディ軍の衝突は、バスラ地域の都市機能を完全に麻痺させた。外出禁止令が出され、道路は封鎖され、電気と水道の供給もほぼ全域で停止した。紛争が長引くにつれて、食糧不足や物価の高騰など、市民生活に大きな影響が出た。JIM-NETでは、通常、イラクの小児がん・白血病の医療支援を行っているが、バスラ危機に関しては、ガンに限らず緊急支援を開始することを決定した。その目的は、最悪の人道危機を防ぐことであるが、一般的な緊急救援は、国際機関や国際NGOが大規模に行うものと思われるので、JIM-NETでは、主に、JIM-NETが支援している小児がんの子どもたちが、紛争で受ける被害、治療中断などを最小限にとどめることである。
また、支援活動を通して、イラクの再建や恒久的平和の実現のための日本の対イラク外交のあり方を問いかけるきっかけを作ることを目指した。
| JIM-NETの緊急救援指針 |
アクション |
予算 |
1. 被災地に対する緊急人道支援人道的な危機の回避と、支援活動を行っている国際機関(国連,赤新月社)、国際NGOへのサポート、地域のNGOなどを支援
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@ サフワンへの給水(赤新月社と共同)
A ズベイルへの食糧支援(Mercy Corpsと共同) |
285,285円
1,050,000円 |
| 2.
今まで支援してきた「がんの子どもたち」の救援を最重点課題とする
@ 病院が再開した際に治療に必要な薬などを準備する
A がんの患者を中心に、水や食料の配給を行う
B 紛争による物価高騰で病院に来られない子どもたちには交通費を支給する |
@ 4月〜5月バスラ薬支援
A 食料配給(400家族)
病院での給水(32t×11回)
B 23名の交通費を支給 |
1,504,965円
1,081,500円
244,283円
221,025円 |
| 3. アドボカシー
支援活動を実施する過程で、主に日本社会へイラクの情勢を伝え、注意喚起する。日本のイラク外交政策へ提言していく。
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● メディア:信濃毎日新聞、読売新聞(北海道)、北海道新聞、NHK地球アゴラ、クリスチャン新聞等で報道
● 報告:9条世界会議 / G8市民サミット |
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2) 支援結果
今回、ローカル・スタッフがヨルダン出張中に紛争が始まったために、バスラの友人知人らへの電話で毎日情報収集し、アラビア語のメディアなどとの比較分析を行った。東京に本部を設け、危険度を5段階に設定し、それぞれの段階でのアクションプランを作成
4月5日、事務局長がアンマンで合流、UNAMI, WHO, UNICEFなどから情報収集したが、国際機関は意外にも緊急事態は終了との認識であった。しかしながら、バスラへの民間機は飛ばず、クウェートの国境は閉鎖されイラク人への査証は発給されない状況が続き、衝突も部分的に続く。メディアもUN関係者も関心が薄いという感じ。唯一バスラで活動を続けているMarcy
Corpsとクウェートで接触。Marcy Corpsは「武器を持たず、護衛もつけない」という活動規範を守り、緊急支援を行っていた。
食料はすでにバスラ内で購入が可能になっていたが、物価の高騰で、食料購入が困難な状況にある貧困家族をピックアップしてもらい、フードパックを配給。4月21、22日の2日間で18か所で合計400家族分の食料パックの配給を行った。支援対象者は、モスクや赤新月などローカルコミュニティに依頼し選択した。
なお、選択の基準は下記を中心に、下表の内容の支援物資の配給をした。
* 日雇いなどの日当に頼っている家庭
* 孤児
* 離婚した未亡人
* 国内避難民
* がんの子どもを持つ家族 |
米:10kg
砂糖:1kg
食用油:1リットル ミルク:1kg
レンズ豆:2.25kg
(家族構成にもよるが、1家族約3日分) |
一方以前から、サフワンの赤新月社職員とつながりがあったので、クウェートからの物資の中継地点としての拠点ということで、サフワンの給水を計画、実行した。サフワンは、湾岸戦争でも劣化ウラン弾を使われたところであるのと、バスラ市内から離れており、治安はよいが物流が閉ざされる厳しい地域である。2000トン分をペットボトルでクウェートで購入配送の手配をしたが、クウェート国境で税関手続きに時間がかかり、サフワンで配給できたのは5月3日になった。
がんの子どものプロテクション
・ JIM-NETの現地スタッフが病院で同様のフードパッケージを配給。がん病棟だけでなく、病院に来た患者全員を対象にした。病院の倉庫には食料を置くスペースがないので、スタッフの自宅を倉庫にして、一週間かけて病院で運び配給。ズベイルのガンのこどもを持つ家族に関しては、JIM-NETのローカルスタッフのイニシアティブでMercy
Corpsが配給する予定であったが、安全上の理由でローカルスタッフが自宅に届けた。
・ 23名の患者に、病院に来られるように交通費を支給した。
・ 4月末から病院が断水。その後給水設備の老朽かも重なり、水不足になった。32トン給水車で、4月30日から6月4日までの間に合計11回の給水をおこない、総量は、352トンになった。また、薬を貯蔵するための冷蔵庫が故障したとの報告もあり、病院の設備改善が求められている。
・ 病院がリクエストしてくる薬は、JIM-NETが1月に日本の製薬会社が寄付してくれた薬などを大量に送ったため、しばらくは、ストックが会ったが、それらもそこを突き出して来たために、要請が増えてきている。月額8000ドルは必要。
バスラから南に30分くらい車で走ったズベイルでは、ウム・アハマッドという女性の協力で、400世帯に食料の配給ができた。イスラムでは、女性が見ず知らずの男性と話したりするのは難しい。そこでウム・アハマッドが、援助の必要な家族を献身的に探し出し、リストアップしてくれたのだ。
彼女自身、夫はすでに定年退職し、七人の子どもがいて貧しいのだが、孤児や未亡人を支援する活動には積極的だ。
「私はとっても幸せです。貧しい女性たちを支援する仕事を手伝えて。見てください、彼女たちの笑顔を!」 |
■ 緊急支援 詳細
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●サフワン水支援 |
$ |
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% |
| 水2トン |
1667
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クウェート側通関 |
300
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遅延による手数料 |
300
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イラク側通関 |
200
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国境−赤新月社(輸送費) |
100
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積荷卸代 |
50
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スタッフ交通費(ズベイル−サフワン) |
100
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合計
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2717 |
285,285 |
10% |
●食糧配給(病院) |
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| 米(インド米)10kg×400 |
4297.5
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砂糖(ブラジル)2.5kg×400 |
892.6
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オイル20リットル×400 |
1636.4
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ミルク10kg×400 |
2859.5 |
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輸送費(トラック) |
614.0 |
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| 合計
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10300.0 |
1,081,500 |
37% |
●ズベイルへの食料配給 |
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合計
|
10,000 |
1,050,000 |
36% |
●病院への給水 |
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11回 |
2326.5 |
244,282.5 |
8% |
●交通費・宿泊費 |
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宿泊費 |
260 |
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日本−アンマン、クウェート−日本 |
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170,000 |
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アンマン−クウェート(2人) |
303.87 |
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クウェート−アンマン |
248 |
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合計
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255,246.4 |
9% |
| 総計 |
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2,916,314 |
100% |
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