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4月6日:イブラヒムを帰さないで!

  現地時間の明日(7日)アンマン−バスラ便が出るという情報が入った。これで、イブラヒムがバスラに戻ればもう少し支援活動の詳細を決めることができる。
  しかし、イブラヒムは、かえることに慎重だ。
  このフライトを逃せば、次はいつ飛行機が飛ぶかわからない。4月9日は、バグダッドが陥落しイラクの占領が始まった日だ。ムクタダ・サドル師は、スンナ派もシーア派もクルドも、違いを超えて占領に反対しようと、100万人規模のデモを呼びかけている。現政権は、いわば占領によってもたらされた、アメリカの後ろ盾で成り立っている政権だ。反占領の声が大きくなることは、政権の崩壊につながるので黙っているわけはない。大きな衝突が起こるかもしれない…。

  家族をバスラに残し、一人アンマンで宙ぶらりんになってしまったイブラヒムにとっては、絶好のチャンスだ。もし9日のデモが暴動にでも発展すれば、飛行機はしばらく飛ばないだろう。
  陸路で帰ることも考え、クウェートにもビザを申請をしてみたが、担当者は「イラク人男性へのビザの発給審査そのものがストップしている」という。飛行機で帰るしか方法はない。しかしイブラヒムは、慎重だ。
  ジャナン医師
(写真中央)に電話をすると、昨日は、病院に2時間行って診察をしたが、他のスタッフが出てこれない状況だという。今日は、朝から銃撃が続いていて、家から出られないという。
「ほら、銃声が聞こえるでしょう」
時折、バシン、バシンというような音が、ノイズに混じって聞こえてくる。
「イブラヒムを帰さないで! 今は危険すぎるわ。」
ジャナン医師は興奮気味に話した。

  イブラヒムはすっかり意気消沈して寝込んでしまった。イブラヒムの翼は完全にもぎ取られてしまい、地を駆け抜ける駿馬の足には足枷がはめられてしまった。

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