帰ってきたイブラヒム(6月16日)
イラク政府当局が14日から多国籍軍と共に首都バグダッドで5万人以上を動員した大規模な治安回復作戦を開始した。そのため、今週は、バグダッド行きの薬を送るのは見送っている。要冷蔵品は途中で止められると厄介だ。すでに、病院からは一か月分のリクエストを先に出してもらっており、余裕を持って小出しにしていきたい。(写真
検問でクルマの中を調べるイラク兵)
バスラは、ここ数日間、治安は回復しているかのようだが、検問が厳しいと思わぬところで引っかかる。残念なことに今のイラク政府は信頼できず、治安維持部隊の中にすら、民兵が入り込んでいるので話はややこしい。イブラヒムと電話で状況を確認しながら作戦を組み立てていくのだが、最近電話が途切れ途切れ。なかなか、話がうまく伝わらないのでイライラする。.jpg)
ちょうどそのとき、東京から酒井啓子さんがアンマンに来ているというので、食事をご一緒した。この日はイラクの魚料理「マスグーフ」を久しぶりにたべた。チグリス川の鯉の炭焼きだ、これがとてもうまいのだが、でもツワイサの核物質が川に流されてから、私は食べないことにしていた。2003年、チグリス川の上流のモスルまで行ったときにここなら大丈夫と久しぶりに食べたとき以来だから3年ぶりのご対面だ。なんとヨルダンではどこぞの池で鯉を養殖しているそうだ。
酒井さんに3月のシンポジウムに来ていただいたときも話題になったのが、「ルーミー・バスラ」(バスラのライム)である。 酒井さんは「これ、お茶としてのむの。絶対、日本でうけると思うのよ。もう市場調査もやってOK!」と力がこもる。(上写真
でもイラク人は通常イラクティーを飲む。この写真はクウェートのお茶屋で。下写真 ルーミー・バスラ)
ルーミー・バスラといえば、JIM-NETアンマン事務所でもブームになっている。イブラヒムが住み込んでいたころ、よくトマト煮込みを作ってくれたが、必ず入っていたのがこれ。 日本でいうドライレモンのようなもので、白いのと黒いのがある。お茶には白、イブラヒムは料理には黒を使う。黒いのは、ちょっと香辛料をまぶしてあるような香りもするし、中まで黒いから、発酵させているのかもしれない。
「ただ、中身が、ゴキブリの羽のようなので見た目がちょっとね…。」(○×氏談)
台所を掃除していたら、腐ったにんじんと一緒にイブラヒムがバスラから買ってきてくれた、真っ黒なルーミー・バスラが出てきた。なるほど、黒いのはもっとゴキブリの羽にそっくり。(左写真
JIM-NETのシェフをしていた頃のイブラヒム。コアラのように背中にしがみついているのはイブラヒムの愛娘ファートマ)
先日、お父さんが亡くなってしばらく戦列を離れているイブラヒムは、どうしているかなと思っていたところにメールが入る。バスラで、薬を買い付けて、病院に届けたというのだ。まさかのイブラヒムのペナルティ・キックがゴールすみに決まったという感じ。一瞬、えっという感じ。これは、ブッシュ大統領のイラク訪問以上のサプライズ。貴重な一点をものにした。
イブラヒムがけりこんだ薬
1.Asparginase 10000 IU 72 vial 1140 $
2.Cytosar 100mg 77 vial 346.5 $
3.Vincristine 1mg 30 vial 220 $
4.アルコール・ジェル 50個 100 $
5.マスク 30箱 105 $
6.Sodium Bicarbonate 8.4% 12 vial 22 $
7.シリンジ(注射器) 1050本 68.27 $
合計 2001.77 $
左の写真… 05年8月16日、イブラヒムがバスラの産科小児科病院へJVCの依頼でボールをけりこんだ時のもの。バスラチームのキーパーがしっかりキャッチした。
佐藤真紀 (事務局長)
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