現地情報アンマン2006
“アンモ・カメラ”はサンタさん

 “アンモ・カメラ”はサンタさん

  クリスマス間近のアンマンからです。
   ヨルダンではキリスト教徒は少数派(全人口の10%以下)ですが、ホテルやスーパーマーケットではクリスマス・ツリーや飾り付けをよく見かけるようになりました。
  写真はある高級ホテルのホールに飾ってあったものです。近寄ってよく見ると家と塀はクッキーでできているようです。家の高さが50センチ以上あるとても大きな飾り物…。人形はさすがに陶器でしょう。屋根に降り積もった雪はクリームに見えるけど…、どうもロウでできているようですね。地面に降り積もった雪は本物のパウダーシュガーでしょう。だって、味見をしたらしい指の跡があちこちに残っていましたから…。ステンドグラスの壁と天井に囲まれたホールにはグランドピアノが置かれ、生演奏が聞こえてきます。ここは以前に爆破事件のあったアンマンの高級ホテルのホールです。

  街を歩くといたるところに羊のポスターがはってあります。「ヨルダンは、来年は未年なの?」 これは12月30日から始まるイスラム教のエイド(イード)・アル・アドハ(犠牲祭)の寄付を呼びかけるポスターなのだそうです。「すべての毛(羊の)にアラーの恩恵がある」「90ヨルダン・ディナール(1万5千円くらい)」そして、某イスラム教団体の電話番号です。 
 「90ディナールで羊を一頭買ってその肉を貧しい人に分け与えるのもよし。肉ではなく、お金を寄付しようという方はこちらへご連絡を」という趣旨だそうです。「一本一本の毛にもアラーは恩恵を授ける。貧しい人に分け与えた人は功徳を積むことができ、アラーの恩恵を受けることができる。まあ、そんな意味かな。」とあるヨルダン人が説明してくれました。

 クリスマスに、エイド(イード)に、ニュー・イヤー…。お祭りモードのアンマンに一足早いサンタのおじさんならぬ、"アンモ・カメラ (カメラのおじさん) "がやってきました。フォトジャーナリストの森住卓さんです。カメラだけでなく、日本からいろんな動物の金太郎あめや知り合いの方が作った折り紙のコップや風船をもって、アンマンに滞在中のイラクの子どもたちに会いに来てくれました。

  まずは、アンマンのがんセンターで訓練中のアリくんのお宅を訪問です。「これはDog」−「カルブ!」、「これはMonkey」−「ケルド!」、「これはLion」−「アサド!」、「これはTigerだけど、アラビア語でなんだっけ…?」大人が考えているそばから「ニメル!」英語大得意のアリくんの答えは早い!!
あめですっかりご機嫌よくなったアリ君は折り紙の風船を膨らませて、キャッチボール。お母さんが「ヨウコ! 何か声を出すか、手をたたいて!!」とアドバイス。
 「アリ!! こっちに投げて」と声をかけるとアリはヨウコの方をしっかりと向いて、まっすぐに投げてくる。ためしにちょっと右によって手をたたいてみる、次は左に、ちょっと遠くに離れてみたり…。アリくんはまるでしっかり見えるみたいに、声や拍手のするほうを向いて正確に投げてくる…。
「いくよ、手を出して!」風船をアリに向かって投げると、前に差し出した腕と胸の間を小さな風船はすり抜けてしまう…。「もうちょっと体に手をくっつけてごらん」お母さんのアドバイスでアリの両手は風船をしっかりキャッチするようになりました。
  アリの両目が何の光も色もうつさないなんて信じられないキャッチボール。「みんな、がんセンターのトレーニングや盲学校の幼稚部で習ったおかげでできるようになった。家にいるときは何も一人ではできない子だった。この子はもの覚えが本当に早い。バグダッドに戻ったら教育を受ける機会なんて全くなくなってしまう。この子の将来を思えば、アンマンで教育を続けさせたい」と母親は言います。
「これで最後ね」
「あと、もう一回だけ!」
「あともう一つ!!」…「あともう一回」が合計十回をこえました。アリ君は、プレゼントの風船がお気に召したようです。

  次はアハマド・ザキくんのお宅を訪問です。たたんだままの折り紙の風船を見せると「これ何?」「鳥」「船」「箱」…。
   膨らませてこうやって遊ぶんだよ、と手ではじいてみせると、アハマド君の青白い顔に笑顔が全開。テーブルをはさんで紅い折り紙の風船が飛び交います。
  ソファに腰掛けたままできるので、あまり体調がよくないアハマド君も思いっきり参加できます。ときどき咳き込んで水を飲みながらも、やめようとしません。弟や妹も加わってますますにぎやかになりました。
  風船がお母さんの頭上に飛んだ! 静かに見守っていたお母さんの手がにょきっとのびて見事なパス。子どもの頭の上に上手に打ち分けています。お母さんが仲間に入ってますます盛り上がり、こちらも、あともうちょっと、あともうちょっとときりがない…。

「アンモー(おじちゃーん)、あめもっとほしい!」
「アンモー、カメラいじりたい」すっかり人気者になった"アンモ・カメラ"の森住さん、素敵なプレゼントをとどけてくれてありがとうございました。

西村 陽子 (JIM-NET/アラブの子どもとなかよくする会)
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