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検査結果は良好! 
先日、イラクからヨルダンに陸路で出てきた知人が移動中に撮った写真を見せてくれました。「命がけの撮影だよ」と言いながら、見せてくれた写真には片側3車線の砂漠のハイウエイを輸送トラック、ヨルダンからイラク人を乗せてイラクへ戻る大型タクシー、普通の乗用車が20台くらいでコンボイを組んで走っているのが写っています。その前にアメリカ軍のコンボイがいてスピードを出せないのだそうです。後ろを走るイラク人の群れに、アメリカ軍のコンボイからは、紫色の煙をもうもうと吐く威嚇射撃弾が時折打ち込まれる…。車間距離をあけさせ、イラク人を近寄らせないためだそうです。
「こうやってまとまって走っていたら、一台で飛ばして走るより安全なの?」と聞くと、
「いや、そうでもない。この群れの中に、武装した車が近づいてきて、運転手に銃口を向ける、運転手はもう、それに従って、路肩に車を止めるしかない。この群れでもうすでに2台やられた。前にいるアメリカ軍は見て見ぬふりだよ…」
「イラクに入ってバグダッドまでの500キロ、この状態で何時間も走るんだから、運転手だけじゃなくて乗客だってへとへとさ…。」
どう相づちをうっていいかわかりませんでした。
アンマンのがんセンターに検診に来ていた白血病のアハマド・サラムが飛行機で帰国しました。がんセンターでの検査結果はすべてOK。あと8週間2種類の薬を飲み続けたら150週をこえる化学療法は終了、5か月後の検診でOKが出れば一安心。父親が見せてくれた治療の予定表のコピーには1週ずつ「何月何日ここまで終了」とボールペンで書き込まれていて、用紙はすっかり擦り切れている…。どの家族もそうです。
アハマドの少し後に白血病のサマアが同じように定期健診にやってきました。彼女と母親は飛行機代がなかったので危険を承知で、陸路でやってきました。
「ヨルダン国境では危うく追い返されそうになった。治療の証明書をみせて何とかヨルダン入国を許されるが、身体検査で母親は頭にかぶったスカーフもアバヤもはぎとって、体中探られ、結わえていた髪もほどかれて髪の毛の中までチェックされた」そうです。
「どうして入国させてくれないのですか?」などとヨルダンの係官に強く抗議したら、たとえ入国を許可されても、こういう嫌がらせをされる、もしくは、イラク人というだけでみなこういう扱いをされるのだといいます。
サマアも検査結果は良好、3か月後にまた検診があります。サマアはこの9月からしばらく休んでいた学校に行き始めました。
「何年生?」
「5年生…」小さな声で彼女は答えました。去年の冬に会ったときより、背と髪の毛がのびて大人っぽくなったサマア。でも、そのときに同じ質問をしたときの答えもそうだった…。病気治療のために落第したのです。
(写真:日本の子どもからのプレゼントに「ヘルー! ヘルー!(きれい)」と大感動のサマア母子)
最近のイラクでは、治安が悪くて、思うように通学できないため、落第する子どもが多いということを聞きます。病気や怪我で、または、親が脅迫されて逃避生活をしなければならず、学校に行けない、そういうやむをえない理由で落第する…。大人だったら「やむをえない、今のイラクで命があるだけありがたい」なんて納得することもできるかもしれない。しかし、子どもたちのプライドは高く傷付く…。イラクの多くの親たちはそんな子供心に気を回している余裕なんて、とてもないでしょう。
西村陽子 (JIM-NET/アラブの子どもとなかよくする会)
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