現地情報アンマン2006
帰省
 帰省

 ルブナは6歳のイラクの女の子である。彼女の兄弟がアンマンの病院で病気の治療を受けるため、家族でアンマンに住んでいる。
 イラクの北部に住む祖父母に会うため、母親とアンマンを離れた時のことである。
 アンマンからモスルに向かう彼女の運命はどうなるかわからない。

「おかあさん、私たちは殺されるの? 誘拐されるの?」彼女は車中、母親に何度も繰り返したずねた。
「おかあさん、こわいよう!」怖くて震えながら、母親に訴えた。

 彼女たちはラマディ、ファルージャ、ティクリート、ベイジを通って、モスルへ向かう。 それらの場所には、武装した盗賊やギャングが道路にチェックポイントを作っているかもしれない、身分証明書を見て、スンナか、クルドか、シーアか、クリスチャンか…。それによって相手を殺すような民兵に出くわすかもしれない。それらの場所を無事通り抜けられれば、生き延びる幸運を手にすることができる。

 ルブナは車の中でよく眠ることができなかった。彼女は半分起きて半分眠ったまま、行方の知れない運命に恐れおののく母親に問い続けた。
「いつになったら、おばあちゃんのいるモスルに着くの?」
 それは、本当に長いドライブだ、それも、昼間だけしか進むことができない。
 彼女たちはラマディとファルージャの間のどこかで、夜の間、8時間停まっていた。そして、幸運にも次の朝早く出発することになった…。イラク西部から北部へ向かう最も危険な道のりを。
 一日と一夜の旅の後、ついに彼女たちはモスルにたどり着いた。ルブナは幸せだった。 モスルのおばあちゃんの家に数日滞在した後、さらに北の町に住んでいるおじいちゃんの家に行き、夏休みを過ごした。
 おじいちゃんの家にたどり着いたとき、彼女たちは胸をなでおろした。
「ああ、神様。ついに、家にたどり着くことができました。アルハムド・リッラー。(アラーに感謝します)」
 ルブナは、喜びにあふれ、心から安心してつぶやいた。

06年8月8日
(ムハンマド・バグダーディー)