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「サダコへ、そしてイラクの子どもたちへ」
(06年10月21日) リポート
10月21日(土)1:30p.m.より、「サダコへ、そしてイラクの子どもたちへ」と題して、小児がん・白血病とたたかうイラクの子どもたちの最新現地報告会が、劣化ウラン廃絶キャンペーン(CADU-JP)と日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)の共催で開催された。
会場は世田谷区千歳烏山の「らくだ」で、これに先立つ17日(火)より、イラクの子どもたちの絵画展も同会場で開催されていた。
最初は、ヨルダンはアンマンでの第5回JIM-NET会議に出席したJIM-NET看護師国井真波さんによる報告。JIM-NETによる支援の成果もあって、白血病が寛解(白血病の場合、白血球がほぼ正常になる状態)になる率が約80%と、先進国の同90〜95%に近い数字まで上がってきたことなど、イラクの最新状況のレポートがあった。
日常的に爆発や商店の襲撃が起こり、病院にも銃弾が打ち込まれるなど、イラクの治安が悪化しており、薬を運ぶのも困難な状況の中で、脅迫・襲撃のターゲットにされる不安を感じながらも医療に取り組むイラク人医師たちの懸命の努力が報告された。
治安の悪化・経済的困難等で患者が通院できない、白血病の子どもへの輸血に必要な医療機器が動かない、などの問題を抱えつつも、精一杯の治療・支援が行われている。
そして、目のガンで両目を摘出し、不自由がありながらも元気に生活しているアリ君など、隣国ヨルダンで治療を受けるイラクの子どもたち・家族との心温まる交流が、絵や写真とともに紹介された。
広島原爆の被爆者で、白血病で亡くなった佐々木禎子さんの命日(10月25日)を記念するこのイベントの趣旨に添う形で、佐藤真紀JIM-NET事務局長から、サダコの千羽鶴の物語を通したパレスチナ・イラクの子どもたちとの交流が語られ、続いて藤本ケイさんによる、「想い出のサダコ」(大倉記代著、よも出版)の一節の朗読。会場はしんと静まりかえり、涙を流しながら聞いている人もいた。
その後、大倉記代さんご本人によるご挨拶があり、大倉さんの立ち上げられた「『サダコ』・虹基金」に寄せられた善意が、同じ病に苦しむイラクの子どもたちを支援するJIM-NETの活動に役立てられることで、サダコが現代に生きている姿を見る思いがする、とのメッセージがあった。(大倉さんからは、会場での言葉の他に、前日『イラクの子どもたちと「サダコ」に想いを寄せられお集まりの皆さんへ』
という文書によるメッセージが寄せられていました。そのメッセージは、こちら)
最後は佐藤真紀JIM-NET事務局長による活動レポート。
イラク政府が十分機能せず、治安悪化により外国NGOの多くが撤退する中で、必要な薬剤の30%前後を占めるNGOからの供給のほとんどをJIM-NETが担っている現状が報告された。
ザルカウィ掃討作戦のターゲットとなったサマーラに住み、最後は十分な治療が受けられないまま亡くなった女の子、そしてTBSのTV番組でも紹介された、骨のがんのために2度の足の切断手術を受けながらも、義足で活発に動き回る明るく元気なアヤちゃんなどの子どもたちの絵と写真は、胸を打つものがあった。
さらに多くの難民が今も暮らすヨルダン・イラク国境のノーマンズ・ランドからのレポート、そしてデンマークに難民として受け入れられたイラク人家族の生活などが紹介された。
今まで65万人が死亡したと言われるイラクで、子どもの支援をしていくことの難しさを感じつつも、活動の中で感じた一人ひとりの命の重さを伝えていくことの意味を佐藤真紀さんは訴えていた。
こじんまりとした会ながら、充実した、深く心に残る時間だった。
最後に配布資料の一節を引用したい。
「『サダコ』という名前は、被爆者としてだけではなく、戦争の犠牲になった子どもたちの代名詞として世界の人々の脳裏に深く刻み込まれています。『サダコ』の死に思いを馳せることは、戦争の犠牲になった子どもたちに思いを馳せることでもあります。サダコが亡くなった10月25日が、そういった子どもたちへの追悼の日となり、新たなサダコを出さないための誓いの日となることを私たちは心より願っています。」
リポート:長谷川 宏(CADU-JP 写真も)
(当日配布資料
pdfファイル 約1.9MB)
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