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第1回
西村 陽子
さん
シリーズ1回目は、「アラブの子どもとなかよくする会」の西村陽子さんです。
「アラブの子どもとなかよくする会」は、経済制裁のころから伊藤政子代表がイラクへ通い、白血病の子どもたちの支援を先駆的に行ってきました。
さて、4月22日から5月23日までアンマンに出張していた西村さんに、早速長野でインタビューを行いました。JIM-NETハウスに居候しているイブラヒム先生とその娘ファートマとの不思議な関係です。
インタビュー(Q):佐藤真紀
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西村 陽子 さん |
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| Q: |
今回の目的は? |
| A: |
薬をセントラル病院に2回届けました。 |
| Q: |
今回は、院外学級で忙しいイブラヒム先生の娘さん、ファートマの面倒も見てくれたそうですね。
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| A: |
一緒にモーメンホテルに行こうと外に出たとき、私の首を引っぱって何か内緒話をするのです。よく聞こえなかったんですが、イブラヒムが教えてくれました。「ヨーコはなぜべールをかぶらないの?
アイーブよ!」って言ってたんだって。
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| Q: |
そういえば彼女、アイーブってよく言うよね。
アイーブとは、言ってみればイスラム的にタブーということですよね。
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| A: |
父さんがいてもトイレは女同士って! パパと行きなって言っても、ヨーコがいいって。
彼女、一度うんちしたのよね。でも、あいにく、断水で水が出ないの。トイレットペーパーで拭いてあげたのだけど、アラブは水で流すんです。ファートマがいやだって。ちゃんと石鹸でおしりを拭いてこうやって水を流してねっていうのですよ。 |
| Q: |
そういえば、僕がいたときも、なんだかもじもじしておしっこしたそうだったんで、でもイブラヒム寝てるし、トイレ連れて行こうとしたらアイーブ!
アイーブ!って言っていた。日本だと3才くらいの子だとそんな恥ずかしがらないのだけど。女の子意識しているよね。でも、アイーブって言われると、なんだかこっちがとても悪いことした気になる。 |
| A: |
イブラヒムが厳しく教育しているみたいね。
この間も、井下さんにファートマ預けて、みんな出て行ったの。そしたら、井下さんから電話がかかってきた。「ファートマがおしっこしたいみたいですわ。身をよじらせていますわ」という。ボーラって言っています?(アラビア語でボーラはおしっこの意味)
「言ってますわ、言ってますわ。西村さん、早く帰ってきてください」
今すぐ行きますということで、戻ってみると、ファトーマがぷりぷり怒っているの。
井下さんが無理やりトイレに連れて行こうとしたら、ファートマが抵抗して腕が捻じ曲がっちゃったみたいでいたい! いたいって文句言っているの。おしっこは?
って聞いたらもういらないって。でも10分したらまた思い出したみたいで体をよじりだした。 |
ファートマ
(写真の上にカーソルをのせてね!)
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| Q: |
自分で行けないのかな。 |
| A: |
便座に届かないの。 |
| Q: |
なんか足を置く台みたいなの作ってあげればいいね。そういえば、よくイブラヒムと便所の中で歌っていたな。 |
| A: |
夕方ね、テラスで歌っているの。「ママ、ママ、どっかへお出かけなのよ。ちょっと、ちょっと、もうちょっとで帰ってくるの」って自分で作っているのね。
それとかね。「ママ、死んじゃった。白血病で死んじゃった」って歌っていたこともある。 |
| Q: |
西村さんに甘えていた? |
| A: |
イブラヒムがジャガイモで料理作っていたの。コーラと。隣で口をあけて、「食べさせて」って言うからスプーンで口に入れて上げたら、今度はイブラヒムのほうを見て口あけるの。交互に食べさせているうちに、まだ食べるの。まだ食べるのって。だんだんファートマのおなかがパンパンになってきたのがわかるの。調子に乗りすぎちゃってこりゃやばいなと思ったときは手遅れで吐いちゃった!
イブラヒムは目が悪いから、動いちゃだめ! |
| Q: |
イブラヒムがゲロ踏みそうになった? |
| A: |
みんな固まっていた。
イラクに帰ることになって、イブラヒムがファートマに聞いたの。ママは? って。ファートマは、「天国」って答えてた。イブラヒムが「おみごと!」って。 |
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ファートマはこの後イラクに向かって旅立ちました。バスラに行って親戚に預けられるそうです。僕たちがバスラに行けるわけではないので、ちょっとさびしいですね。 |
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西村陽子
1967年生まれ。長野県出身。長野県の教員として小学校に勤務中の1993年から2年間、青年海外協力隊員としてヨルダンに赴任。そこで、「アラブの子どもとなかよくする会」の代表者と出会い、湾岸戦争後の経済制裁に苦しむイラクの子供たちの惨状を知り活動に協力するようになった。帰国後は主に子どもの文化交流の分野で協力。その後、03年6月から9月、10月から04年1月までバクダッドに滞在し、小児ガン、白血病治療のための薬をヨルダンから運ぶ活動に従事。イラク人女性NGOの子どものケア・プロジェクトなどにも関わった。現在は日本各地で講演活動を行い、イラクの現状を日本の人々に伝え、医療支援を呼びかけている。
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