|
イラクの女の子たちからの贈り物
(07年1月)
アナ アヘッブキ クティール クティール
アンマンに住んでいた8歳のイラク人の女の子ランダは、英語が大好き。弟のアリと私の3人で、小学校の英語の教科書を使って、学校ごっこをした。帰り際にお別れの挨拶をすると、細い体でぎゅうっと私の体を抱きしめてこういった。
がんで右足を失ったアヤと目隠しオニをして遊んだ。義足でアパートの部屋の中を所せましと走りまわる。さんざん楽しんだ後、片足でぴょんぴょんととんできて、私のひざにとびのり、こう言った。
アナ アヘッブキ クティール クティール
ヒジュランは絵を描くのが大好き。背骨にできた腫瘍のため、ベッドに横になったまま、首だけ持ち上げて胸の上で絵を描く。「ちゃんと座れるようになったらもっとたくさん描くからね」と言うヒジュランに、スケッチブックやサインペン、色鉛筆、水彩絵の具をプレゼントすると、彼女はベッドの中から両腕を伸ばして私を引き寄せ、頬にキスをして言った。
アナ アヘッブキ クティール クティール
サブリーンはまだ会ったこともない遠い遠い日本の友達にたくさんの絵を描いた。片方の目だけで、素敵なドレスを着た女の子、鳥、ねこ、花…、何枚も、何枚も。 そして、紙の片隅にひと言、書きそえた。
アナ アヘッブキ クティール クティール
アラビア語で「私は あなたのこと とっても とっても 大好きよ」という意味。
イラクの子どもたちは、うれしいとき、楽しいとき…、よくこの言葉を口にする。
「あーおもしろかった」「ありがとう」のかわりに「あなたのこと 大好き」と言われると、2倍も3倍も幸せな気分になる。私も「アナ アヘッブキ クティール クティール」と返す以外、ふさわしい言葉が見つからない。
日本語でストレートに「あなたのこと 大好き」と言うのは、たとえ女同士でも、ちょっと照れくさい。いつでも率直に「大好き」と表現できるイラクの子どもたちが、ちょっとうらやましくもあり、とってもまぶしく輝いて見える。
誰かに大好きだと言ってもらえること、大好きな人が自分のそばにいること、それがどんなに幸せなことか、イラクの女の子たちが教えてくれた。
西村 陽子(JIM-NET/アラブの子どもとなかよくする会)
義理の愛作戦の目次に戻る
アンマン便りのトップへ
⇒
|