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JIM-NETはイラクのがん・白血病の子どもたちの支援をしています。

イブラヒム先生スピーキングツアー 報告

  8月6日、イラク、バスラからJIM-NETローカルスタッフのイブラヒムが来日しました。35日の滞日期間は、なんと21回の講演をこなすというハードスケジュールでした。イブラヒムに直接会いに来てくださった皆さま、イブラヒムとの出会いはいかがでしたか? 皆さまとイブラヒムの間に新しいイブラヒムの物語ができたのではないでしょうか?

■ 収支報告
スピーキング・ツアーの収支がまとまりましたので、下記のとおりご報告いたします。

収入
2,677,707 (円)
(参加費、寄付)
支出
646,826 (円)
(交通費、宿泊費等)
収入−支出
2,030,881 (円)
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  収入は、バスラの貧困家庭への交通費等の補助金として使わせていただきます。
  今回のスピーキングツアーのために作成した冊子『イブラヒムの物語』に関しては上記に含まれていません。残部がございますので、クリスマスプレゼントなどにぜひご注文ください。


■ 顛末

  さて、私自身は、イブラヒムと心中するような覚悟でこのツアーを企画しました。その目的ですが、大きく分けて3つありました。

1)  支援の継続と拡大
ガンの子どもたちへの医療支援は、ますます必要になってきているのに、イラクのことがメディアに取り上げられることも少なくなり、多くの人々の関心がどんどん薄れていっています。
また、私たちスタッフも、ここ数年イラク国内に入ることが出来ないので、いったいイラクがどうなっているのかがなかなか見えてきません。イラク人同士でも、イラクの現状について話す内容はずいぶん異なっています。そこで、現地からイブラヒムに来てもらってイラクの今を語ってもらい、さらなる支援を訴える必要があると考えました。

2) 平和を作る
イラクに関する報道は、「テロで何名の犠牲者が出た」というものが多く、「イラクは怖い国。イラク人は怖い人達。イラク人はテロリスト」といった偏ったイラク人像が作られています。そして最近では、周辺諸国もイラク人の入国を厳しく制限しています。さらには、イラクがテロの温床になってしまい、「テロとの戦いのために、アメリカはイラクに派兵していて、それに日本も協力している」という誤ったストーリーが作られています。
しかし実際は、サダム政権下のイラクは警察国家で、テロリストの侵入などを厳しく制限してきた国でした。「テロとの戦い」という「誤ったメッセージ」によって始められた 「イラク戦争」という一方的なイラク攻撃の結果、今まで平和に暮らしていたイラク人の生活はめちゃめちゃにされてしまいました。そしてめちゃめちゃにした張本人であるアメリカと、日本をはじめとするアメリカを支持した国々の責任が問われることは、今のところまったくありません。そもそも本当の平和とは何であるのかをもう一度考え、私たちは何をすべきなのかきちんと反省し、次代の平和をどう作ればいいのか考える機会をつくらなければならない。そこで、今回は、特に日本の子どもたちと一緒に考えたいと思ったのです。「イブラヒムはイラク人だけど、テロリストに見えますか?」という問いかけをぜ
ひ日本の子どもたちにしなければと考えました。

3) 環境問題を考える
 途上国に暮らす人達はエコロジカルです。「ロハス」とか難しいことは言わなくとも、質素な暮らしぶりの彼らの使用する資源エネルギーの総量は、われわれ先進国のそれとは比べ物にならないほど少ないです。世界有数の産油国のイラクですが、肝心のイラク人は、石油資源確保のために始められたイラク戦争のせいで石油を搾取され、電気も一日に2時間しか来ません。真夏には55℃を超える猛暑のバスラでも、昔風のうちわを使って暑さをしのいでいます。そこで、そんなバスラから、イブラヒムにこの伝統的なうちわを持ってきてもらって、日本でも冷房をとめて、エネルギーを節約してみようと思いました。石油や原発に頼らずに世界の人々が共存するためには節約することが大事だと考えました。

  以上、3つのポイントを掲げて、ツアーは始まりました。
  まず、1)ですが、東京、横浜、大阪、広島、徳島、長崎、久留米、宮崎、松本、北海道と全国を回りました。全国紙よりも、地方紙が一生懸命に書いてくれたこともあり、地方ではどこへ行ってもほぼ満席でした。各地で集まった募金は、主に、病院に行けない子どもたちの交通費などに使わせていただくことになっています。
  2)については、イブラヒムの人懐っこいキャラクターが、各地で受け入れられ、イブラヒムjは一躍人気者になりました。スピーチの冒頭のイブラヒムの片言の日本語の挨拶がとても受けていました。
 「私はイブラヒムです。私はイラクから来ました。私は先生です。私は、とてもしつこいです。」
  彼はしつこいを勘違いして、「立派な」という意味で使っていたようでした。私はてっきり笑いをとるために使っているものだと思っていましたが、帰る間際になって、イブラヒムは「しつこい」の本当の意味を知ってびっくり! 「なんで教えてくれなかったんだ?!」と怒っていましたが、
「私たちは、しつこく、イラクの子どもたちを支援していかなきゃなきゃならないんだよ」と言うと、「We are 'shitsukoi' for helping Iraqi children!」と、納得してくれました。
  3)について。これはうまくいきませんでした。というのも、ご存知のように、今年の日本の夏は異常に暑かったからです。窓を開けると、隣の家のエアコンの室外機から暑い風が入ってきます。
  イブラヒムも日本の湿気にはまったく対応できないのか、「冷房、冷房!」と音を上げていました。クーラーを止めてうちわを使った講演会も、この暑さでは無理でした。地球温暖化は、深刻です…。

  さて、私は、イブラヒムを日本において、イラクのドクターの会議や、中田英寿さんの受け入れなどのためにアンマンに飛び、日本に帰ってきてから電気代の請求を見てびっくりしました。エネルギー問題は深刻です。

  イブラヒムの珍道中は、JIM−NETのスタッフブログ゙をご覧ください。面白いエピソードが満載です。

  さて、イブラヒムは、次の作戦に向けて動き出しています。次の作戦といえば、そうです! 「限りなき義理の愛大作戦 '08」です。08年のテーマは「院内学級」です。「がんの子どもたちだって学校に行きたい」イブラヒムの生徒たちが書いてくれた絵を使ったチョコレートのパッケージにご期待ください。

佐藤真紀 (JIM-NET事務局長)

写真(上から):イブラ本を持つイブラヒム、湯川れい子さんと、くらげを見るイブラヒム、長崎の平和公園で

 

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