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JIM-NETはイラクのがん・白血病の子どもたちの支援をしています。



  (3) 基地の街で


  6月3日 佐世保のワールド・スタディーズ・センター(以下WSC、代表中村清美さん)というNGOから、講演会の依頼がありました。WSCは、5年前から独自のプロジェクトを実施して着実に成果をあげているNGOです。資金的には小規模でも、確実に受益者の糧になるような支援を、という理念をもとに活動が続けれられています。国際理解講座にも力を入れており、講師として元JVC代表の林望さんや、高遠菜穂子さんを招いています。「アジアの会」は以前から協力関係にありましたが、今年度からタイのプロジェクトに参加しています。
 講演会が始まる頃には30〜40人くらいの参加者が集まり、途中からは中学生達がたくさん来てくれました。小児がんの子ども達の写真は衝撃だったようで、ひととおりプレゼンテーションが終わってからもう一度写真やグラフを見せてほしいという声があがりました。

 講演後の質疑応答の中からいくつかご紹介しましょう。
Q:(病院の現状の報告を受けて)日本政府も病院の修復などをしていると思いますが?
A:イラクで働く日本人には二種類います。一つはNGO、もう一つはサマワのジャパニーズ・アーミー(自衛隊)です。イラクの人々はジャパニーズ・アーミーよりNGOの方がよりサポートしてくれているように感じています。NGOは医療面でも協力しています。ジャパニーズ・アーミーは、私のいる場所がサマワから離れているからかもしれませんが、何もしていないような気がします。バグダッドに行く途中サマワを通りましたがドラマチックな変化はなかったようでした。おそらく警備上の問題などであまり機能しなかったのではないでしょうか。

Q:日本以外の外国からの支援はあるのですか?
A:どこの国というのではなくユニセフ、セイブチルドレン、WHOなどが入っていましたが、2003年の8月に国連のスタッフが爆弾テロで亡くなってから退却させられました。今は日本のNGO以外はしていないのではないかと思います。
代表の中村さんからの補足:アメリカやカナダ、日本でもいくつかのNGOがまとまって支援をしています。実際にはヨルダンなどにプラットフォームを置く形ですね。

Q:アメリカが一番治安維持や発展に貢献しているのは疑いがないと思いますが。
A:そう思いますか? 私はそう思いません。誰もそう思っていない。この数字と写真を見てください。

Q:イラク戦争にたくさんの市民が反対したが結局戦争を止められませんでした。憤りを感じているし、申し訳なく思います。今でもたくさんの子ども達が亡くなっていることにあらためて憤りを覚えます。先週は空母が佐世保港に入りましたね。私たち市民は何ができるのでしょうか。
A:とても難しい質問です。どんな国であっても戦争をすること、ある国が別の国を占領することに反対を続けてください。

Q:幸いに健康でいられる子ども達は、無事学校に通ったり生活できているのでしょうか。
A:治安状態が悪くて行けない。学校自体が破壊されている。あるいは貧困のため家族から行かないようにと言われる子もいる。恐れて学校に行かない子もいるし、治安が悪いので学校が休みになりがち。今の教育の状態はよくありません。

Q:日本と比較して考えるのですが、日本はアメリカの占領後、6年で独立を果たすわけですが、イラクでは今の占領を順調と感じているか、そうではないなら何が阻害要因だと思われますか。
A:政治家ではないからよくわからないですが、イラクを取り囲む国々からの圧力も感じます。アメリカとアメリカに反対する国との戦争の場になっているように思います。

Q:こんな状況になっているのに、どうして劣化ウランが原因と特定できないのですか。
A:疑いは非常に強いけれども学術的に立証するにはいろいろな手続きが必要です。国連が調査をしようとするプランはあるのだけれども、今の治安の状態だと実施できません。

 最後は「イラクの現状は非常にシビアだがイラク人自身が克服していくよう願っています。」と結びました。
 講演終了後の食事会では、地元の食材を使ったエジプト料理やイラク料理も並びました。ここで皆「ジェミール(=おいしい)」というアラビア語を習得しました。お肉を使わない料理でイラク人も日本人も満足できる料理を作ってくださった「地球屋」さんに感謝、です。イラクのことにも心を寄せてくださり、医療支援コンサートの宣伝までさせてもらいました。途中、「アメリカが一番貢献している」というコメントが、やはり話題に上りました。WSCの皆さんは「新聞にも事前に告知が出たおかげでいろんな人がきたね」「同じ考えの人ばかりでないことは大事だし、あの方にとってもよい機会だったよね」と。ほんとうにそうですね。

 さて翌日は中村さんの案内で佐世保観光です。まず向かったのは佐世保湾が一望できる弓張岳。ここから米軍基地を見てみようというわけです。知ってはいたものの上から眺めると、基地がこの街でいかに重要な位置にあるかがわかります。
 原潜が入港する時には歓迎ムードでお祭りのようになること、9.11の後の、異様にものものしい雰囲気、佐世保に住む約60%の人が何らかの形で基地に関わる仕事をしているということ……。そういうお話を聞きながら基地を見下ろします。展望台から戻る時に、トレーニングに来ていた米軍兵士達と、Helloとあいさつを交しました。すれ違ったのがイラク人だとわかったら驚くかもしれませんね。その後、遊覧船に乗って九十九島の美しさを満喫しましたが、とても同じ佐世保の海とは思えません。
 WSCのメンバーの中にも基地でアルバイトをしている人がいます。彼女はドクターの話にかなりショックを受けていて、その後も「何かしたい!」と時々相談のメールをくれます。今後いろいろな形で佐世保と長崎とで連携していきたいです。



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