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限りなき義理の愛作戦 @アファーク in マハムードくんち
バグダッド出身のマハムード君一家は、白血病の治療のためにアンマンに来てもう3年、マハムード君は、アンマンのがんセンターで治療を続けながら、アンマンの小学校に通っています。
マハムード君の一家は大の日本びいき。テレビのサッカーの試合で日本チームが出るときは必ず家族全員が日本チームの応援にまわります。「モシモシ?」「ゲンキ?」「ドウゾ」「オイシイ」「スゴーイ」「ソウ、ソウ」「アリガト」「サヨナラ、マタネ」…、マハムード一家は家族で競い合って日本語を覚えようとしています。
チョコレートを入れるトートバッグの製作に先立って、スマイル子どもクリニックから資金の支援を受けて、ミシンを購入することになりました。巾着袋、カレンダーのタペストリー作りなどを通じて、「ミシンがあったらもっと仕事がはかどるし、いろんなものが作れる」という声が、バグダッドで子どもだけでなく他の家族の服もみんな手作りしていたというお母さんから出ていました。家族で買い物に出かけたときに、 ミシンの下見もしていました。軍資金を手にしたお父さんは早速、ショッピングモールに出かけ、そこでは一番高い新品を購入(約2万円、2台)しました。電動式ミシンではありますが、足ペダルでスイッチや速度を調整する、日本ではもうほとんど見かけないタイプの中国製です。マハムードのお母さんが次の朝、早速仕事を始めると、モーターがこげるような、プラスチックの燃えるような臭いがするとのこと。朝、8時半から、お父さんは夕べ買ったばかりのミシンを持って、部品の交換に出かけました。今は問題なく動いているようですが、糸のバランスが悪かったり、布がひきつってしまったりすることが多く、手直しに2倍も3倍も時間がかかってしまいます。それが、ミシンの難しいところですが、100枚のバッグを2時間くらいで仕上げてしまうそうです。終わると、お母さんから電話がかかってきます。「100枚縫い終わったよ。次の布を持ってきて!」
お母さんが縫製を終えて、余分な縫い代を裁断したら、みんなの出番。いっせいにバッグの取っ手をつけます。取っ手にするリボンを一定の長さに切る人(長女)、バッグに穴を開ける人(父)、リボンを通す人(その他全員)の分担で作業が進んでいきます。
「私の針がないー!!」(次女サファ)
「はっきりいって、難しいよ、コレ」(長男ムハンマド)
「そう? ぜんぜん難しくないけど…」(次男マハムード)
「だれ? ひっくり返しにつけた人? よく見てよ、こうやるのよ!!」(長女マルワ)
「………」(子どもたちの騒ぎをよそに、黙々と働く母)
目標の100個に近づく頃、気づけばマハムード、サファ、ムハンマドはバッグとリボンを手にしたまま、テレビのアニメ“トム&ジェリー”に夢中になっているのでした。
「おかぁさーん、おなかすいたー!」とマハムード。
「いけない! 仕事に夢中になって、夕飯食べさせるの忘れてた!!」とお母さん。時計はすでに夜9時をまわっていたのでした。夕飯はお母さんの手作りピザでした。「何でもお金をかけずに手作り」がお母さんのモットーです。
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