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JIM-NETはイラクのがん・白血病の子どもたちの支援をしています。

 第8回JIM-NET調整会議 〜イスタンブールで開催

  日本とイラクの医師が支援内容を検討するJIM-NET会議が、10月15日と16日の2日間に渡り、トルコのイスタンブールで開催された。この会議は2004年から、イラクと日本の医師が、定期的に集まり、支援内容の評価と今後の支援計画を議論してきた。
  冒頭、会議を主導してきた井下医師は、「今後イラクが復興するにつれ、JIM-NETの役割も、学術的な協力に力を入れたい。そのための方向性を打ち出したい。」と述べた。
  今回は、信州大学医学部准教授の坂下医師も同行し、遺伝子解析の講義を行うなど、遺伝子解析を取り入れた治癒率の向上を目指している。
  JCFは、12月に2名の医師をバグダッドから招聘し、遺伝子の解析に関する研修を地元松本市の信州大学医学部で実施することを決定した。遺伝子の解析が行われると、劣化ウランとがん発症の因果関係なども解明される可能性が出てくる。

  バグダッドの子ども福祉教育病院のマージン医師からは、保健省の機能が回復しつつあり、薬品など供給が改善されてきていると報告があった。08年度は、保健省が必要な医薬品の50%を供給している。保健省とは会議開催直前に、今後必要とされる薬品に関しての議論も行われ、09年の初頭には、要求した薬品が届けられる予定になっているという。
マージン医師は、「抗がん剤を中心にJIM-NETに要請してきたが、今後保健省がそういった薬のほとんどを調達できるようになると思う。維持療法で必要な抗生剤や、さまざまな検査に使う試薬などの支援を検討してほしい」との申し入れがあった。
  JIM-NETのまとめによると、08年4〜8月までの薬支援の実績は、108,595ドルで、08年度の薬品供給は、ドル安の影響もあり3000万円以内におさまりそうである。
  バグダッドのセントラル小児教育病院からは、JIM-NETが寄贈したセルセパレーター (血小板輸血を行うための装置)が再稼動し始めた報告がなされた。これは、2005年に寄贈されたものの宗派対立の煽りを受けて、技術者が病院を去ったために、稼動できなくなっていたが、病院に残った医師が技術を習得し、08年3月から再起動した。08年の1〜3月、同病院では14名の死亡例があったが、セルセパレータによる輸血再開後、死亡数は半減したという。
  バグダッドで改善が見られる一方で、モスルやバスラでは、改善は期待できない状況だ。地方選挙を見越してか、モスルでは少数派のクリスチャンなどへの迫害が激化している。バスラでは、保健省からの薬の供給は必要量の5%に過ぎず、病院は水を確保するのも精一杯の状態で、病棟には患者があふれ床で寝ているような状態は改善されていない。

  JIM-NETでは、薬の支援を、主にチョコレート募金でまかないながら、学術的な協力を信州大学医学部などと進めていくこと、セルセパレーターの消耗品などは、ジャパン・プラットフォームの民間ファンドなどに協力を要請する。


「2年前、マージン医師は、自分たちは、タイタニックに乗り込んだ楽師のようだ。沈んでいく船で演奏するしかないと言った。今回、その船は、沈没しそうな状態から持ち直し、少しは前に進めるようになったと思う。私たちは5年間支援を続けている。同じ船に乗っている。これからも同じ船に乗り続けるだろう。」と佐藤JIM-NET事務局長が締めくくり、今後はより包括的な支援を約束して閉会した。   (10月18日)







写真上から
○ 会議風景と演壇から会議を見守るジムコ
○ 会議参加者による記念撮影
○ 再稼動したセルセパレーター。この機械が患者の命を救っている。しかし消耗品が3か月で約300万円とランニングコストは高い。
○ 病床が足りないバスラの病院
○ バスラでの取り組みを発表するイブラム。彼の活動は、院内学級、薬の調達や貧困家庭の支援など多岐にわたる。 バグダッドでは、イブラヒムのような活動をするNGOがないために、医師たちにも参考になったようだ。
○ 今年のチョコレート募金のサンプルを手にする医師。
  絵に関して、今まではバスラが中心となっていたが、バグダッドでも子どもたちの絵を使った取り組みをやってみようと張り切る医師も現れた。



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